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ありがとうを食すサンクスギビング

今年もサンクスギビングが過ぎた。10キロ近いターキーを焼くのも今年で3度目。1年に1度しかしないことでも、3回やればなんとなくコツがつかめるようになるもんである。ターキーの中に詰めるスタッフィングも、結局伝統的なクルトンとソーセージをほぐしたものに落ち着いた。日本人なら、もち米と甘栗なんかにしてみるとおこわみたいになって絶対に好きなかんじだとどこかで聞きかじったのだが、3度目でまだ冒険はできなかった。来年かな。
今年のサンクスギビングは、ご近所に住むお友達と、クランベリーソースを交換しあって、そのついでにたこ焼きまで頂いたり、お隣のインド人の夫婦にパイをあげたら、お返しにスパイシーなインドの混ぜご飯を頂いたりと、我が家の食卓は七面鳥、たこ焼き、インドご飯が混在するものすごい豪華なものになった。今年もたくさんの人に助けてもらって、ここまで来られた。そのたくさんのありがたいつながりが、美味しいお料理になって、こうして食卓に並ぶのを見て、過去二回のサンクスギビングを思い出す。
まだ夫婦二人で、他には誰も知らなかった1年目。ターキーの焼き方も手探りで、クランベリーソースも初めて食べた。それはそれで、すごく楽しい作業で、二人で代わりばんこにオーブンを覗き込んでは、ソースをかけたんだった。
子どもが生まれて初めての去年のサンクスギビング。まだ息子もとっても小さくて、食卓を占領するターキーとどちらが大きいかな?!と比べてみたり。まだ離乳食も始まっていなかったから、結局大量の食事は夫婦二人だけのお腹に収まった。
そして今年、こうして息子を通じて知り合えたたくさんのありがたいつながりが、こんな風に食卓にも映し出されて、ひとつの命がもたらす拡がりを、改めて驚きながら、幸せに味わった。その美味しさは、今年はちゃんと一丁前に食べるようになった息子のお腹にもおさまって、ターキーごはんをもりもり食べるその様子に父ちゃんも母ちゃんも驚くばかり。15年後くらいには、一人で全部ターキーを平らげるようになるのではなかろうか・・・おそろしや。
そもそも、食料難だったアメリカ開拓時代に、ネイティブアメリカンからおすそ分けしてもらった食事にありがたや~と感謝を示すための祭りというのがサンクスギビングの由来。飽食の時代で、もはや食に感謝の気持ちを示す機会はめったにないけれど、感謝の気持ちを込めた食は、こんなにシンプルに、あたたかく、人をつなぐ。
みんなが方々からやってきて、家族も友達も、好きなところで好きなことをしているのが大抵のアメリカだからこそ、こうしてでっかいターキーを焼いて、今年もあなたがいてくれ嬉しかったよありがとうという気持ちをスタッフィングと一緒にその中に詰め込んで、みんなで食卓を囲むことが大切なのだろう。
巨大なターキーも、後日キチンと保存して、骨の周りはスープにすれば、全く無駄なく食べ終えることができるのも気持ちいい。伝統的な食事は、無駄がない。
夫が綺麗に掃除してくれたキッチンで、また玉ねぎとセロリを切って、ターキーのガラをスープに入れながら、今年もターキーを焼いて良かったと思った。
by akikogood | 2009-12-03 20:28 | アメリカ、エスニシティー
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