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大阪の事件について

そりゃもちろん、感情面に訴えて、
「そんなのありえない。どうしたらそんなことできるのか分からない」と言えるのは、
自分が幸せな人間だということだ。

不自由なく生活できる基盤と、協力的なパートナーと、何かあったときには助けてくれる日本にある実家と、健康と、友達と、仕事まである。

23歳で、学歴もキャリアもなく、妊娠して、結婚して、離婚することになったらどうするか。


最悪の事態で、子どもと自分だけになったとき、どうやって生きてゆくかを、自分で決められるような経済的なキャパシティがないなら子どもは持たないほうがいいですよ、というスタンスの限り、日本で若い女性に子ども産め産めいうのは無理があると思う。
今、東京で働いている私の友達や妹たちは、英語で言ったらリアルに"working their aXX off"ってかんじに働いてるわけで。そんな状況から、はい子どもできました、仕事と両立します、経済レベルは前のままで、って大企業だって無理でしょ。どうしたって、勤務時間を減らすのか、子どもといる時間を減らすのかっていう選択になる。
大企業でベネフィットが良ければ、キャリアの維持は十分可能だけど、スパっと辞める人もたくさんいるし、ましてや中小企業に勤めてて、ベネフィットもなくて、働いたら養育費がかさんで赤字になるなら、仕事を辞めるってのはかなり普通の選択だよね。
それで離婚とか死別とか、何かあったら、仕事見つけられません、支援もありません、どうやって生きていきますか? っていうのが問題の辿るコースなんだろうなぁ。
やっぱり、「ドロップアウトした人」っていうコース分けが色んなところで壁を作っているのかなぁ。
日本で子どもできてから就職活動するときって子どもの有無を伝えたりするのが普通と聞いたけど
それってアメリカではあり得ないよな・・・

でも、ぶっちゃけ、総合職で銀行に入った瞬間に、これ、家族持ってからもずーっとこの企業文化の中で勤め続けるの、無理だ、ととっさに悟った。働き続けるって、制度も大事だけど、文化や雰囲気も制度と同じくらいに大切だと思う。子どもできても働き続けられるフトント職は皆無なかんじだった。残業するかしないかとか、上の顔色うかがうかとか、そんな些細なことがキャリア持続の可否を分けるのかも。
でもそういや、同期の男の子で、次の年に総合職入行が決まっている新卒の女の子を妊娠させて、結婚した子がいたな。結局彼女のほうは、確か入行と同時に育休とって、とかそんなかんじだったかな?それってもしかして最強のパターン?会社のほうは妊娠したからといって内定取り消すわけにもいかないし、その子たちは、若手の頃から、子どもがいながらして二人とも総合職、という環境が当たり前なのでキャリア継続も自然とできそう。どうなっただろう?

それにしても、母親と子どものみで世間に放り出される状態になった場合、年収300万台だったら、貧困ラインギリギリで政府の補助もらって暮らす、あるいは実家に戻る(後者が普通だろう)
勝間和代クオートで「インディペンデントな女性=620万稼ぐ」としても家賃払って、保育費払って、を一人で子ども成人するまでするキワどいライン。勝間さん自身離婚してるけど、彼女だって高額の収入を維持するために深夜まで働いて、結局実家の母親が娘たちを育てたようなもんだって、どこかで言っていた。
実家の母がいなかったら・・・?
ベビーシッター制が発達していない日本では、女性が620万以上の収入を一人で稼いで子ども育てるのは、至難の業だと思う。それでも、これからは620万以上ラインを取って常に実家が育てるか、母子家庭貧困ラインを取るのか、の狭間でもがく家庭はたくさん出てくる。

亡くなった子どもたちのことを考えると、浮かんでくるビジュアルが強すぎて、あまり焦点を合わせないようにする3Dみたいにしてるんだけど、やっぱり、問題の色が濃くて、ブログにあげてみました・・・

おかしいよね・・・周りの人たち、もっといくらでも声かけられたはずなのに。

悲しいです。
by akikogood | 2010-08-02 12:06
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